海外の暗号資産両替所シェイプシフト(ShapeShift)です。
シェイプシフト(ShapeShift)は、2014年8月1にErik Voorhees氏によって、スイスで設立されました。
シェイプシフト(ShapeShift)の会社概要は、次の表の通りです。
Erik Voorhees氏のキャリアについて、説明します。
彼は、シェイプシフトを作る前に二つの事業を立ち上げています。 まず、2011年に設立されたCoinpulst社です。 同社は、ビットコインのウォレットサービスを提供しており、メールアドレスや電話番号のみでビットコインを送ったり、マーチャント向けの決済システムも提供しています。 次に、Erik Voorhees氏は、2012年にブロックチェーンを用いたギャンブルサイトであるSatoshi Diceを作りました。 同氏が、ブロックチェーン黎明期においても、それらの技術に関して、強い興味を抱いていたことがわかります。 そんな中、立ち上げられたのがシェイプシフト(ShapeShift)です。 シェイプシフト(ShapeShift)は、会社理念として、”No Flat”(法定通貨を使用しない)を掲げている通り、ドルやユーロなどの法定通貨を挟まずに、暗号資産同士のエクスチェンジを行なっています。ビットコインやイーサリアム建てで、アルトコインを売買することは、一般的ですが、70種類にも及ぶアルトコイン同士の取引を仲介できるプラットフォームは、シェイプシフト(ShapeShift)のような暗号資産両替所だけではないでしょうか。
通常、暗号資産Xを暗号資産Yに替える時には、取引所で他のユーザーが売る暗号資産Yを暗号資産Xで購入します。 この方法は、取引所を介して他のユーザーと取引を行うため、手間や時間がかかります。 一方、シェイプシフト(ShapeShift)を利用すれば、シェイプシフト(ShapeShift)とユーザーの2者間のみでやり取りを行うため、手続きを簡略かつスピーディーに行うことができます。 まさに、“A simple and beautiful piece of financial innovation”(金融革新において単純だが大切な役割)なのです。 シェイプシフト(ShapeShift)では、手数料が一切発生しません。 唯一、マイナー手数料がかかりますが、これはシェイプシフト(ShapeShift)に入るわけではありません。 >それでは、シェイプシフト(ShapeShift)はどのように収益をあげているのでしょう。 それは、スプレッドです。 スプレッドとは、売値と買値の差のことです。 シェイプシフト(ShapeShift)で両替をする時、相場のレートより低めに設定されています。 例えば、暗号資産X:暗号資産Y = 1:1.5のレートの時、シェイプシフト(ShapeShift)のレートがX:Y = 1:1.45で設定されているのです。
すると、(1 + マイナー手数料)Xを両替すると0.05Yがシェイプシフト(ShapeShift)の利益となります。
シェイプシフト(ShapeShift)では、ユーザーの匿名性を非常に重要視しています。 これは、一般的な暗号資産取引所のルールとは、一線を画しています。 例えば、国内の暗号資産取引所などでは、取引を行うためには、アカウント登録をした上で、本人認証を提出して、書留郵便を受け取る、といった手順が必要になります。 一方、シェイプシフト(ShapeShift)はそのステップを踏まないで匿名なまま取引を行うことができます。
また、審査などの期間もないため、すぐに取引を始めることができます。これは、とても便利なシステムですね。
しかし、シェイプシフト(ShapeShift)の便利さ故に生じるデメリットもあります。
それは、匿名性という特徴を利用して、マネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪に使われる危険性があることです。
シェイプシフト側は、一回に両替できる上限額(約60万円)を設けることで、対策をしていますが、クリティカルな方法ではないでしょう。
そのため、シェイプシフト(ShapeShift)のビジネスモデルが将来的に規制されてしまう可能性もあります。
1.『シェイプシフト(ShapeShift)の利用方法』
シェイプシフト(ShapeShift)を利用すれば70種類以上の通貨同士を両替することができます。
今回は、ビットコインをイーサリアムに両替する方法をみていきましょう。
① ShapeShiftにアクセス
② 通貨の選択
アイコンをクリックすると、通貨一覧が表示されますので、”Deposit”にビットコインを、”Receive”にイーサリアムを選択します。
そして、”Continue”を押下します。
③ アドレスを入力する
画面上部に書いてある両替レートをしっかり確認しましょう。
”Your Ether Address”と書かれているテキストボックスに「イーサリアムを送りたい先のアドレスを入力」します。
そして、”Your Bitcoin Refund Address”と書かれているテキストボックスには「ビットコインが入っているウォレットアドレスを入力」します。
後は、規約に同意(I agree to Terms)して、”Start Transaction”を押下しましょう。
④ 新たに発行されるアドレスに入金する
「①〜③」を行うと、新たにアドレスが発行されますので、ビットコインが入っているウォレットから、そのアドレス宛に入金をしましょう。
しばらくすると、”Shift Complete”と表示されるはずです。
以上を持って、シェイプシフトの両替の手続きは完了です。
登録や審査が必要ないので、本当にあっという間に取引を終わらせることができますね。
2.『シェイプシフトのスマートフォンアプリ』
シェイプシフトには、スマートフォンアプリがあります。
日本語対応はしていませんが、直感的に操作できるため、特に問題はないでしょう。
スマートフォンアプリは、iOS・Androidに対応しています。
私のスマホがiPhoneですので、今回は、iOSの場合で説明します。おそらくそれほど大きな違いはないでしょう。
まず、App Storeから”Shape Shift”を検索しましょう。
そして、「入手」ボタンを押下します。
続いて、両替したい通貨を選択します。
”Deposit”と”Receive”にそれらを指定します。
ここで、問題が発生しました。
ブラウザ上では、約70種類の候補があった銘柄が、なんと5種類しかありません。
ビットコイン、イーサリアム、イーサリアムクラシック、ライトコイン、モネロの5つです。
これは、アプリの仕様なのでしょうか。
あまりにも、数が少ないため、用途が限定されそうです。
トラブルが発生しましたが、与えられた候補同士で、取引をするためには、通貨の銘柄を選択して、画面下部にある”SHIFT”ボタンを押下しましょう。
使い方は、非常にシンプルで、間違いようがありません。
スマホアプリを使用した所感としては、通貨銘柄が少なすぎて、使い物にならないですね。
Android版でも同様の現象でしょうか。
ビジネスモデルが素晴らしい分、アプリのクオリティが低いと勿体ないですね。
シェイプシフト側は、一刻も早く、改善する必要があると思います。
3.『シェイプシフト(ShapeShift) VS チェンジリー(Changelly) 』
日本で知名度が高い暗号資産両替サービスは、シェイプシフト(ShapeShift)ではなくチェンジリー(Changelly)でしょう。
チェンジリーは、2013年にチェコで設立されました。
手数料が0.5%と安く、両替できる通貨も80種類以上あり、さらに日本語対応をしていることから、国内のユーザーに人気が高いです。
これだけ聞くと、シェイプシフト(ShapeShift)よりチェンジリーのほうが使いやすいのでは? と考えがちですが、両者には大きな違いがあります。
それは、ユーザー登録が必要かどうかです。
前述したように、シェイプシフト(ShapeShift)では、ユーザー登録は必要ありません。
そのため、すぐに取引を行うことができます。
一方、チェンジリーはユーザー登録をしなくてはなりません。
この一手間を面倒と感じるかどうかは、個人によって違うと思いますが、私はシェイプシフト(ShapeShift)を支持する理由になり得るのではないかと考えています。
さらに、両者の違いをあげるとすれば、”Fee”と”Speed”です。
シェイプシフト(ShapeShift)のスプレッドよりチェンジリーの手数料の方が低いといわれています。
ここは、チェンジリーに軍配があがります。
対して、取引(トランザクション)速度は、シェイプシフト(ShapeShift)の方が早いようです。
結論として、国内に限らず、両者を比較しているサイトをいくつかリサーチしてみましたが、良し悪しは個人によって異なるという意見が多数を占めているようです。
そのため、あなたが両替所に何を求めるかで、勝者は変わってきます。
4.『シェイプシフト(ShapeShift)の信頼性について 』
シェイプシフト(ShapeShift)は、セキュリティにやや脆弱性を抱えているようです。
2016年には、複数回ハッキングされ、一時はサービスを停止するなどしていました。
これらによって、2,500万円以上の盗難被害にあったようです。
また、”Shape Shit”というフィッシングサイトが存在したこともあり、被害が出たようです。
現在では、そのサイトは閉鎖されているようですが、懸念は残りますね。
また、前述したマネーロンダリングの温床となる説もあるため、非常に便利な反面、信頼性に一抹の不安があるというのが現状でしょう。
シェイプシフト(ShapeShift)が今後どのような戦略をみせるのか、注目したいところです。
シェイプシフト(ShapeShift)公式